記帳代行とは?経理代行との違いや利用メリット、業者選びのコツを解説

記帳代行とは?経理代行との違いや利用メリット、業者選びのコツを解説

事業を行う人は、個人事業主であっても法人であっても、すべてのお金の流れを帳簿に記録する「記帳」を行わなければならない義務があります。
しかし、記帳をするには経理の知識が必要になるほか、仕訳や入力の手間と時間が求められます。
特に取引数が多い場合などは記帳の件数も多くなり、記帳には相当な時間がかかってしまうのが現状です。

そのような状況下において、現在では、煩雑な記帳業務を外部に委託する「記帳代行」を利用する事業者が増加していることをご存じですか? 
記帳代行サービスを上手に利用すれば、記帳にかかる手間や時間を軽減できるだけでなく、さまざまなメリットを得られます。
今回は、記帳代行サービスの概要や利用メリット、業者選びのコツなどについて解説します。

目次

01記帳代行とは?

記帳代行サービスのメリットをご紹介する前に、まずは記帳代行とはどのようなサービスなのか、記帳代行の概要からご説明します。

記帳代行は記帳業務のアウトソーシングサービス

事業の売上や経費といった日々の取引の内容について証憑書類をもとに帳簿に記録する業務を記帳といいます。記帳代行とは、この記帳業務を請け負うアウトソーシングサービスのことです。

会社法の第四百三十二条では、記帳について次のように定めています。

「第四百三十二条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。

2 株式会社は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。」

出典元:e-Gov 法令検索「会社法」

また、法人税法においても、法人は帳簿を備え付けてその取引を記録するとともに、帳簿と取引に関連する書類をその事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から原則7年間(欠損金の繰越控除の適用を受ける場合は10年間)保存しなければならないとしています。

法人だけでなく、個人事業主でも記帳は必要です。2013年12月までは、白色申告で前々年分または前年分の事業所得、不動産所得、山林所得の合計額が300万円以下の事業者は、記帳と帳簿の保存は義務づけられてはいませんでした。しかし、所得税法の改正によって、2014年1月からは白色申告者も含め、すべての事業者に記帳と帳簿の保存が義務づけられています。

さらに、2024年には電子帳簿保存法によって電子取引データの保存も義務化されるなど、時代に応じて記帳に関連する法律も変更され、記帳業務のあり方も変化しています。

記帳代行と経理代行の違い

記帳代行は、記帳業務を外部業者が代行するアウトソーシングサービスです。記帳代行と似たサービスには経理代行があります。記帳代行と経理代行は混同されるケースもありますが、両者には次のような違いがあります。

まず、記帳代行とは、会計ソフトへの取引記録の入力や帳簿の作成など、記帳作業のみを代行するサービスです。一方、記帳だけでなく、経理に関連する幅広い業務を代行するサービスを経理代行といいます。記帳代行は記帳のみに特化しているのに対し、経理代行の場合は、決算処理や資金管理、請求書発行、給与計算など、経理業務全般に対応している点が特徴です。

記帳代行と経理代行を比較した場合、記帳代行は経理業務のうち、記帳に特化しているため、代行する業務の範囲が限られます。そのため、記帳代行と経理代行では、記帳代行のほうが安い料金で利用できるケースが多くなっています。

記帳代行サービスに依頼できる業務

業者によって依頼できる範囲は多少異なるものの、一般的に記帳代行サービスに依頼できる業務は次のようなものです。

・会計ソフトへの入力

・帳簿の作成

・書類の整理

会計ソフトへの入力

記帳をするためには請求書や領収書などをもとに、お金の動きを会計ソフトに入力しなければなりません。会計ソフトの入力作業には、適切な勘定科目を使用し、仕訳をする作業も含まれます。

帳簿の作成

会計ソフトに取引内容を入力し、次のような帳簿を作成する業務も記帳代行業務に含まれるケースが多くなっています。

・現金出納帳

・預金出納帳

・売掛管理表

・買掛管理表

・試算表

・総勘定元帳

これらの帳簿を記帳代行によってスピーディーに作成してもらうと、効率的に月次決算を進めることができ、経営の分析に役立てることができます。

書類の整理

記帳代行の業者によっては、領収書や請求書などを預ける際に、書類を整理し、ファイリングする業務まで依頼できるケースもあります。

記帳代行サービスの料金相場

記帳代行サービスの料金相場は、依頼先によって変わります。一般的には、税理士事務所に依頼する場合、記帳代行業者に比べると費用は高めになります。ただし、税理士事務所では、記帳代行だけではなく、決算まで依頼できる点がメリットです。

記帳代行業者では、決算までは依頼できないものの、より低い料金に設定されているため、費用を抑えてサービスを利用できるでしょう。

税理士事務所に記帳代行を依頼する場合の料金相場は、月額3万円~5万円程度が目安になるとされています。ただし、取引件数が多く、複雑な処理が必要になる場合などは別途料金が発生するケースもあります。また、記帳業務に加え、決算までを依頼する場合には、さらに料金がかかります。

また、記帳代行業者の場合は、仕訳の数に応じて料金が変動するプランを採用しているケースが多くなっています。一つの仕訳あたりの料金相場は50円~100円程度が目安となっており、例えば100仕訳の場合は、5,000円~10,000円程度が目安になるようです。

02記帳代行サービスの利用メリット

記帳は事業を進める上で必ず必要な業務ですが、非常に手間がかかる業務でもあります。そのため、記帳代行サービスを利用するとさまざまなメリットを得られます。ここでは、記帳代行サービスの利用によって得られる主なメリットをご紹介します。

記帳作業の手間を軽減

一つひとつの取引について、請求書や領収書、通帳を確認しながら適切な勘定科目を割り当て、金額を会計ソフトに入力していく記帳業務は、非常に手間と時間がかかる業務です。しかし、記帳代行サービスを利用すれば、必要な書類を預けるだけで会計ソフトへの入力と各種帳簿の作成までを依頼できます。

記帳の手間を大幅に削減できる点は最大のメリットになるといえるでしょう。

正しい記帳の実現と不正の防止

記帳の内容は、決算や確定申告にも関わるものです。記帳の際には経理や税務に関する知識が必要であり、記帳が正しく行われていれば、正しい申告書が作成できます。記帳代行サービスを利用する場合、専門的な知識を持つ業者が正しく仕訳をし、的確に記帳をするため、ミスの少ない正確な記帳が実現します。

また、経理の実務経験や知識を持つ人は多くはありません。そのため、経理担当者の採用は難しく、一人の社員が経理業務全般を担当するケースも見られます。そのような場合、監視の目がなくなるため、数字を改ざんしたり、横領したりといった不正が起こりやすい状況となります。しかし、記帳代行サービスを利用すれば、外部業者が関与するため、不正の発生を抑える効果も期待できます。

コスト削減

コストの削減も記帳代行サービスの利用メリットの一つです。記帳の手間が増えたために、経理担当者を採用するとなると、給与のほか、社会保険料の負担も発生し、採用コストなどもかかります。

経理の実務経験を持つ人や知識を持つ人は慢性的に不足している状態です。したがって、経理担当者を採用する場合、給与面でもよい条件を示す必要があるでしょう。また、人材の募集にあたっては、求人広告の掲載費や転職エージェントの利用料なども必要になります。経験者の採用が難しいからといって、何とか担当者不在の穴を埋めようと実務経験のない人を採用すると、今度は教育にも時間とコストがかかります。さらに、従業員を雇用した場合、たとえ業績が悪化したり、業務量が減ったりした場合でも雇用を維持しなければなりません。

記帳代行サービスを利用すれば、必要な業務だけを外部業者に委託できるため、コスト削減につながる可能性が高くなり、固定費を抑えることが可能です。

本業へのリソースの集中

経理の担当者がおらず、事業主やほかの担当者が記帳業務を兼務している場合もあるでしょう。専門知識のない人が記帳をするとなると、経理担当者が作業をする場合よりミスも増えるため、より多くの時間がかかります。そのため、記帳業務に時間を取られ、本業に注ぐべき時間と労力が不足してしまうケースも見られます。経営分析や営業活動、顧客の開拓など、本業にリソースを集中できないために、逃しているビジネスチャンスもあるかもしれません。

記帳代行サービスを利用すれば、記帳業務の大半を外部に委託できるため、本来の業務により多くの時間と力を注ぐことが可能です。記帳業務の負担が軽くなることで、より事業の成長を加速できる可能性もあるでしょう。

03記帳代行サービスの利用にはデメリットもある?

記帳代行サービスの導入にはさまざまなメリットがあります。しかし、実際の導入を検討するにあたっては、メリットだけではなく、デメリットが生じる可能性がある点も理解しておくことが大切です。

ノウハウが蓄積しにくい

記帳を外部に委託すると、ミスなく、負担なく、記帳業務を済ませ、帳簿の作成が可能です。しかしながら、業務自体を外部に委託してしまうため社内には経理や業務ノウハウが蓄積しにくくなります。そのため、今後、より組織が成長した際に経理業務を内製化したいと考えている場合などは、経理部門の体制を整える作業の難易度が高まるおそれがあります。

したがって、記帳代行サービスを利用する際には、業務フローについて確認しながら、仕訳ルールの共有化や定期的な打ち合わせの実施などを行ったほうがよいでしょう。この場合は、記帳代行業者は、記帳業務を丸投げする相手ではなく、記帳業務を支えるパートナーとしての位置づけで捉えることが大切です。

情報漏えいのリスクがある

信頼できる業者を選定しない場合、情報が外部に漏えいするリスクがあります。社員教育を徹底していない業者であれば、従業員がデータを持ち出したり、他社に送付したりといったミスが生じる可能性もあるでしょう。また、データや書類の紛失、ネットワーク経由での流出といったリスクが生じる可能性もゼロではありません。

記帳代行を依頼する際には、自社の事業に深く関係する取引先や取引金額、財務関連の情報など、機密性の高い情報を提供します。これらの情報が外部に漏えいした場合、管理責任が問われることとなるでしょう。取引先からの信頼が失われれば、取引が停止されるおそれもあります。また、財務情報の信頼性が損なわれることで、銀行からの融資を受けにくくなるといったリスクが生じる可能性があることも理解しておかなければなりません。

コストが割高になる場合もある

業者によっては、一見、基本料金が安く設定されているように見えても、オプションサービスなどの追加が必要となり、結果として割高な料金が求められる場合もあります。記帳代行を依頼することで、予算よりも高い費用が発生すれば、記帳代行を依頼するメリットが半減してしまいます。

コスト面でのリスクを抑えるためには、契約締結前に見積もりを取得し、オプションサービスの必要性などについてもあらかじめ確認しておくことが大切です。

リアルタイムの業績把握が難しい

記帳代行サービスを利用すると、代行業者に書類やデータを送付し、会計ソフトへの入力と帳簿の作成が完了するまで、その月の経営状況を把握できません。自社で対応する場合に比べると、業績の把握に多少のタイムラグが生じることを理解しておく必要があるでしょう。

ただし、クラウド会計ソフトを活用し、作業中でも数字の動きを共有できる業者を選べば、タイムラグの問題は解消できる可能性があります。業績把握の時差が気になる場合は、クラウド会計ソフトの利用についても事前に確認しておくとよいでしょう。

04記帳代行業者選びのコツ

記帳代行サービスの利用はさまざまなメリットをもたらす一方で、記帳代行を利用することで生じるリスクがあることも忘れてはいけません。記帳代行サービスの利用メリットを最大化するためには、安心して業務を任せられる、信頼できる記帳代行業者を選ぶことが重要になります。

最後に記帳代行業者を選ぶ際のポイントをご紹介します。

料金や対応可能範囲を確認する

せっかく記帳代行サービスを利用しても、依頼できる業務の範囲や料金が希望とかけ離れている場合、契約締結後にトラブルに発展する可能性が高くなります。まずは、自社内で、記帳代行業者にどのようなことを依頼したいのか、依頼したい業務の範囲や月間の仕訳の数などを整理しておくようにしましょう。その上で複数の代行業者に見積もりを依頼し、基本料金にはどのような業務が含まれているのか、希望の作業に対応してもらえるのかなどの細かい点について、十分に確認をしておくことが大切です。

また、記帳代行業務には税理士資格は不要です。したがって、経理全般や決算業務の代行は依頼せず、煩雑な記帳業務だけの代行を依頼したい場合は、税理士事務所ではなく、記帳代行業者に依頼したほうが料金を低く抑えられます。コストパフォーマンスを重視する場合や顧問税理士との契約がある場合などは、記帳代行だけを依頼できる専門業者に絞り、数社から見積もりを取得したほうがよいかもしれません。

レスポンスの早さを確認する

記帳内容について業者とやり取りが発生する場合は、スタッフの質も重視する必要があります。こちらからの質問に対して明確な回答が得られない場合や緊急時にすぐに連絡が取れないなど、スムーズにコミュニケーションが取れない場合は業務に支障が出る可能性が高くなります。

契約を締結する前には質問に対する回答の正確性やスピードを確認しながら、信頼できる業者であるかどうかを見極めることも重要です。また、担当者が一人しかいない場合などは、担当不在時にトラブルが発生すると、状況を把握している人がおらず、業務が停滞するおそれがあります。契約前には、トラブル発生時のサポート体制などについても事前のチェックを欠かさないようにしましょう。

セキュリティ対策の実施状況を確認する

記帳代行サービスを利用することで記帳作業の手間が軽減し、本業に集中できるようになったことで生産性がアップしても、情報漏えいなどの問題が発生すれば、大きなダメージを被ることになります。記帳代行業者を選ぶ際には、セキュリティ対策の実施状況を確認することも大切です。

情報漏えいリスクを最小限に抑えるためには、代行業者がプライバシーマークやISMSなどの認証を取得しているか、預けた書類やデータをどのような形で保管するのかといった点を確認しなければなりません。さらに、守秘義務契約の中に、データ流出があった場合の損害賠償について触れられているか、またその範囲はどの程度に設定されているのかも重要なチェックポイントです。

そのほか、記帳代行サービスの契約先が外部業者に再委託する場合、情報漏えいのリスクは高まります。再委託の可能性があるかという点も確認しておくようにしましょう。

記帳代行ならクロスチェックにお任せ

クロスチェックでは、各取引先から届く請求書をおまとめし、お客様に代わって支払いを完了させる支払い代行サービス「クロスビリング」を提供しています。取引先の締め日に合わせて入金手続きを行わなければならない請求書の支払い業務も手間と時間がかかる作業ですが、クロスチェックでは、請求書のおまとめサービスと併せて、記帳代行業務も承っています。

記帳代行サービスを利用する場合、請求書などの必要書類を代行業者に預ける必要があります。しかし、クロスビリングをご利用いただく場合、クロスチェックでは各取引先への支払い情報を把握しているため、スムーズに記帳作業を進めることが可能です。

現在、利用されている会計ソフトと連携できる仕訳表を作成できるほか、お客様が毎月入力している、支店・営業所・店舗への振り分けや会計コードなど、必要な情報をオーダーメイドで記載できます。さらに、お客様に合ったシステムのカスタマイズや必要な情報の抽出まで、ご希望を丁寧にヒアリングしながら柔軟に対応しています。また、作成した帳票は、お客様ページにログイン後、マイページ上で確認できるため、記帳代行の利用によるタイムラグの不安を最小限に抑えることも可能です。

記帳代行サービスの利用をご検討の際には、請求書の支払いも、記帳代行も依頼できるクロスビリングのご利用をご検討ください。

05まとめ

記帳代行とは、会計ソフトへの入力や帳簿の作成などを代行するアウトソーシングサービスです。取引量が増えると、記帳の数も増えるため、記帳業務の負担が大きくなってくるでしょう。また、記帳には経理の知識が必要不可欠ですが、経理担当者が不在で正しく記帳ができているか不安な場合もあるのではないでしょうか。

記帳の負担を軽減すれば、本業により多くのリソースを集中させることも可能です。コストを抑えながら業務効率を向上させ、事業の成長を目指す際には、記帳代行と請求書の支払い代行サービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。 ぜひお気軽にクロスチェックまでお問い合わせください。

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電話番号:03-5501-9500

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この記事の監修者

【肩書き】
税理士
ハル税務会計事務所 所長
株式会社ネクスティブ 代表取締役

【学歴】
早稲田大学卒業

【経歴】
東京都大田区の某会計事務所入所後、ハル税務会計事務所設立。
平成20年株式会社ネクスティブ設立、代表取締役に就任する。

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