請求書保管方法を徹底解説!法人・個人の期間から電子帳簿保存法まで
企業や個人事業主が受け取る請求書は、取引の事実を証明する重要な証憑書類です。請求書は、法人税法や所得税法によって一定期間の保管が義務付けられています。しかし、「具体的に何年間保管すればいいのか」「紙と電子データでは保管方法が違うのか」といった疑問を持つ方も少なくありません。特に、電子帳簿保存法やインボイス制度の開始により、請求書の保管方法はより複雑化しています。 本記事では、請求書の保管に関する基本ルールから、法人・個人事業主別の保管期間、そして法改正に対応した具体的な保管方法までを網羅的にお伝えします。経理担当者で請求書の保管方法にお悩みの際は、ぜひ参考にしてください。

01請求書保管の基本ルールと期間
なぜ請求書を保管する必要があるのか、その法的根拠と事業形態によって異なる保管期間について解説します。
請求書の保管が法律で義務付けられている理由
請求書の保管が法律で義務付けられている主な理由は、税務調査への備えです。法人税法や所得税法などの法律では、事業の取引内容を正確に記録・保存することが求められます。請求書は、いつ、誰と、どのような取引を、いくらで行ったかを証明する重要な書類です。
請求書を適切に保管すると、経費計上の根拠を明確に示せます。これにより、税務署から取引内容について確認を求められた際、迅速かつ正確な情報を提供することが可能です。また、消費税の仕入税額控除を受けるためにも請求書の保存は欠かせません。インボイス制度の開始により、この重要性はさらに高まっています。
【法人向け】請求書の保管期間
法人の場合、請求書の保管期間は、原則として事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間です。これは、法人税法施行規則第67条第2項によって定められています。
ただし、青色申告で欠損金(赤字)が発生した事業年度の請求書は、10年間の保管が必要です。これは、欠損金の繰越控除(赤字を翌年以降の黒字と相殺できる制度)の適用を受ける場合に、欠損金の発生事実を証明するためです。
まとめると、法人向けの保管期間は次のとおりです。
- 原則:事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間
- 例外:青色申告書を提出した事業年度で欠損金が生じた場合は10年間
会社法でも、計算書類や事業報告などの事業に関する書類を10年間保存することが定められており、請求書もそれに準じて10年間保存しておくのが安全な場合もあります。
【個人事業主向け】請求書の保管期間
個人事業主の場合、請求書の保管期間は、事業形態や消費税の課税状況によって異なります。
所得税法では、請求書の保存期間は原則として5年間と定められています。一方、消費税法では、請求書(インボイス制度では適格請求書)の保存期間は7年間です。
消費税の課税事業主(消費税を納める義務がある個人事業主)は、仕入税額控除を受けるため、請求書を7年間保管する必要があります。免税事業主(消費税を納める義務がない個人事業主)の場合でも、所得税法に基づき5年間の保管が必要です。
まとめると、個人事業主向けの保管期間は次のようになります。
- 消費税の課税事業主:7年間(所得税法上の5年よりも優先)
- 消費税の免税事業主:5年間
このように、法人の場合も個人事業主の場合も、事業の状況によって保管期間が異なるため、自社の状況を正しく把握し、適切な期間保管するように注意が必要です。
02【形式別】紙と電子の請求書保管方法
従来どおりの紙媒体での保管方法と、電子データでやり取りした場合の保管方法について、それぞれのルールと注意点を解説します。
紙の請求書のファイリングと管理のコツ
紙で受け取った請求書を保管するには、紛失や破損を防ぎ、必要なときにすぐに見つけられるようにすることが重要です。
日付や取引先ごとのファイリング
- 取引先別:特定の取引先とのやり取りが多い場合、取引先ごとにファイルを分けると管理がしやすくなります。
- 月別:月ごとに請求書をまとめる方法です。時系列で整理するため、経理処理のタイミングに合わせて管理しやすいでしょう。
保管場所の確保
- 専用スペースの確保:書類が積み重なってしまうと、後から探すのが困難になります。キャビネットや書棚など、請求書専用の保管スペースを確保するのが望ましいです。
- 環境の整備:湿気や直射日光は紙の劣化を早めるため、適切に管理された場所に保管しましょう。
管理台帳の作成
- リスト化:請求書をファイリングする際に、発行元、日付、金額などを記載した管理台帳を作成しておくと、検索性が向上し、管理が楽になります。
紙の請求書は物理的なスペースを必要とし、検索に時間がかかるため、長期的な視点では電子化を検討する企業も増えています。
電子データで受領した請求書の保管ルール(電子取引)
電子帳簿保存法では、電子的にやり取りされた請求書は、電子データのまま保存することが原則として義務付けられています。例えば、PDFで受け取った請求書を印刷して紙で保存することは、原則として認められていません。
電子取引の保存には、次の要件を満たす必要があります。
- 真実性の確保
データの訂正や削除の履歴が残るシステムで保存する、タイムスタンプを付与するなどで、データの改ざん防止に関する事務処理規程を設けること。
- 可視性の確保
ディスプレイやプリンタを設置し、速やかに表示・出力できるようにすること。
- 検索機能の確保
「取引年月日」「取引金額」「取引先」の3つの項目で検索できるようにすること。
これらの要件を満たした方法で保存すれば、紙の請求書を電子データとして保存する場合と同様に、経理処理の証憑として認められます。
紙で受領した請求書を電子化する際の要件(スキャナ保存)
紙で受け取った請求書をスキャンして電子データとして保存することも可能です。これをスキャナ保存と呼びます。スキャナ保存を行うには、次の要件を満たす必要があります。
- 真実性の確保
スキャンデータの訂正・削除の確認ができる、もしくは訂正・削除できないシステムで管理し、スキャン後速やかにタイムスタンプを付与。訂正・削除の防止に関する事務処理規程を定めること。
- 可視性の確保
解像度や階調情報を保ち、鮮明な画像を確保すること。また、ディスプレイやプリンタを設置し、速やかに表示・出力できるようにすること。
- 検索機能の確保
「取引年月日」「取引金額」「取引先」の3つの項目で検索できるようにすること
スキャナ保存を行うことで、紙の請求書を保管する物理的なスペースを削減できます。ただし、要件が複雑なため、システム導入を検討する際は、専門家やサービス提供者に相談することが望ましいでしょう。
03電子帳簿保存法・インボイス制度への対応
近年の法改正により、請求書の保管方法に大きな影響を与えている「電子帳簿保存法」と「インボイス制度」について、対応すべきポイントを解説します。
電子帳簿保存法の保存要件を理解する
電子帳簿保存法は、帳簿や国税関係書類を電子的に保存するためのルールを定めた法律です。この法律は、書類の保存方法を次の3つに分類しています。
- 電子帳簿・電子書類:会計システムなどで最初から電子的に作成された帳簿や書類(仕訳帳、総勘定元帳など)
- スキャナ保存:紙で受け取った書類をスキャンして電子データとして保存する方法
- 電子取引:メールなどで電子的にやり取りした取引情報(PDFの請求書や領収書など)
このうち、電子帳簿保存法における請求書の保管に関わるのは「スキャナ保存」と「電子取引」です。2022年の法改正により、要件が大幅に緩和され、電子化のハードルが下がり、電子取引情報の保存に対応しやすくなりました。
しかし、2024年1月からは、電子取引で受け取った請求書は、電子データのまま保存することが義務化されています。紙に印刷して保存することは、原則として認められません。この義務化に対応するため、多くの企業が電子取引データの保存方法を改めて見直しています。
インボイス制度における適格請求書の保管義務
インボイス制度(適格請求書等保存方式)は、消費税の仕入税額控除の新しい方式です。2023年10月から開始され、仕入税額控除を受けるには、適格請求書(インボイス)の保存が必須となりました。
適格請求書は、従来の請求書に加えて、「登録番号」「適用税率」「消費税額」といった特定の記載事項が必要です。インボイスは消費税法に基づき、事業者は7年間の保存が義務付けられています。
インボイス制度の開始により、受け取った請求書が適格請求書の要件を満たしているかを確認する作業が経理担当者にとって重要になりました。適格請求書とそうでない請求書を混在して保管しないよう、管理方法を工夫する企業も増えています。
04請求書保管業務を効率化する具体的なステップ
煩雑になりがちな請求書の保管業務をよりスムーズかつ正確に行うための具体的な方法やツールの活用について解説します。
保管ルールを社内で統一する重要性
請求書の保管業務を効率化するには、まず社内で明確なルールを定めることが重要です。ルールを統一すると、誰が作業しても同じ方法で管理できるようになり、ヒューマンエラーの発生を防げます。
ルールを定める際のポイントは次のとおりです。
- 担当者を明確にする
請求書の受け取りからファイリング、保管まで、一連の作業の責任者を明確にすると、タスクの重複や漏れを防ぐことが可能です。
- ファイリングのルールを詳細に設定する
請求書をどのように整理・分類するかを具体的に定めます。例えば、「取引先別」「日付順」「金額順」といった分類方法や、ファイル名に含める情報のルールを決めると、後から検索しやすくなるでしょう。
- 保存期間の認識を共有する
自社の事業形態や消費税の課税状況に合わせて、保管期間の認識を全社員で共有すると、不要な書類の処分や保管漏れを防げます。
システム導入で得られるメリット
紙媒体での保管には、手作業によるミスや管理コストの増加といった課題があります。これらの課題を解決するには、システム導入が有効です。請求書保管システムを導入すると、次のようなメリットが得られます。
- 業務の自動化
請求書の受け取りからデータ化、保存までを自動化できます。これにより、手作業によるミスを減らし、業務時間を大幅に短縮できるでしょう。
- コスト削減
郵送コストや印刷代、物理的な保管スペースが不要になります。
- 検索性の向上
システム上で「日付」「金額」「取引先」などを検索条件として入力すれば、必要な書類を瞬時に見つけられます。
- リモートワークへの対応
インターネット環境があればどこからでもアクセスできるため、リモートワークでもスムーズに業務を進められます。
- 法改正への対応
多くのシステムは、電子帳簿保存法やインボイス制度に対応しており、法令に沿った適切な書類管理が可能です。
請求書支払い代行サービス「クロスビリング」で抜本的な効率化を
煩雑になりがちな請求書受領業務の効率化を検討されている場合、請求書の支払いを一括で代行する「クロスビリング」をおすすめします。特に、複数の取引先から多種多様な形式で届く請求書の管理に課題を抱えている企業には最適なサービスで、主な機能は次のとおりです。
- 請求書おまとめ
紙や電子、メールなど、さまざまな形式で届く請求書をクロスビリングがおまとめし、1枚の請求書として月1回、お客様にお送りします。これにより、請求書管理の手間を大幅に削減できます。
- 支払代行
各社への支払いはクロスビリングが行います。お客様はクロスビリングに月に1度、まとめてお支払いいただくだけで支払い業務が完了します。
- 請求書明細入力代行
データ・紙・はがきなどバラバラのフォーマットで届く請求書を、クロスビリングがデータ化して整理いたします。お客様は、マイページ(Webcheck)からいつでも請求書を確認できます。
また、クロスビリングなら完全オーダーメイドの帳票作成もお任せいただけるほか、現在ご利用の会計処理ソフトに合わせて連携可能な仕訳帳票(CSV/Excel)も作成可能です。さらに、請求書の電子化と原本の保管もご要望に応じて対応いたします。
05適切な請求書保管で、信頼性の高い経理体制を
請求書の保管は、経理業務の基盤を築く上で不可欠な作業です。法律で定められた保管期間や要件を正しく理解し、適切に対応することが、信頼性の高い経理体制を構築する第一歩となります。
電子帳簿保存法やインボイス制度といった法改正は、紙媒体での管理が主流だった請求書保管業務に大きな変化をもたらしました。システム導入による電子化は、これらの法改正に対応し、業務を効率化するための有効な手段です。 そしてシステムの活用に加え、さらなる請求書管理の効率化を目指すなら、ぜひクロスビリングの活用をご検討ください。
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